あの人に会いたい


小説を読み進めるにあたって、その作者のことを知るのはやはり大事だと思う。安部公房であっても幼時や若い頃の体験が非常に影響しているし、発想のばねになっている。
なのでこういったものが見られるというのは非常にためになる。これを見て思ったのは、小説だけでなく多くの表現にも当てはまるなということ。
この映像で初めて安部公房が喋っているのを見たんだけど、出てくる言葉がもう常人と明らかに違う。例で出した大意の部分とかもういかにも安部公房って感じで……。三島由紀夫が安部と対談した時に、外国人と話してるようだと言ったとかなんとか。
視点を変えると、わかりきったものが迷路に変わる……この言葉がいい。安部公房の世界ってのはありえないぐらい現実とかけ離れているわけではないんだよね。現実的範囲の「もしも」から、より物事の本質を見据えていると思う。だからこそ、何十年経っても読めるんだと思うんだけどね。
この動画は特に安部公房が好きじゃないって人にも見てもらいたいなと思う。俺はかなり前から気が向いたら何度も見ている。
早くアフタで滞っていた『飢餓同盟』を読まねば……。