2011-01-01から1年間の記事一覧
バルガス・リョサ『世界終末戦争』を読了した。疲れと多忙もあって、合間に時間を見つけては読んでいたりもしたのだが、かなりの時間がかかってしまった。思うに、二段組の本は人間の睡眠を誘発させる成分が含まれているに違いないと、改めて確信した。 『世…
先日、ついにGoldieのホイッスルを手に入れた。アイリッシュ楽器の国内情報はかなり少ないように思う。そのなかでホイッスルは恵まれたほうではあるが、自分自身ホイッスルを検討する際に、欲しい情報がない場合が多かったので、新しいホイッスルを購入した…
はじめに まさか自分でも一ヶ月以上記事を書かないとは思わなかった。忙しくなったのもあるのだが、現在読んでいるバルガス・リョサの『世界終末戦争』が二段組の分厚い本で、なかなか読了することができていないという現状もある。改めて自分の読書能力の低…
ここ最近の記事内容から見れば、なぜいきなりこのようなものが入ってくる余地があったのか、奇特に思う人もいるかもしれない。 実は初代ときメモは中学時代に友人から借りて経験済みで、結構熱中したものだ。しかしそれだけでは、いきなりときメモ4を掴むに…
エッセイがうまい作家というのはかなりいる。しかしエッセイも小説も抜群にうまい作家というのは、実は結構少ないと思う。その中にあって安部公房は、エッセイも小説も抜群にうまい。その徹底した分析思考を、作家こそ持つべきだと思う。作家は仮説(無論学…
定住することというのは、安定した基盤を築くことに繋がる。誰もが安定したいし、何か自分の身分を証明できるものを持ちたいと思う。 この作品は、安部公房の満州引き揚げ体験がベースとなっている。この経験によって彼は故郷から切り離され、地に足つかぬ生…
「十字路になりなさい」 境界文化における自己の存在証明について葛藤したグロリア・アンサルドゥーアの言葉だ。十字路とは様々な人や文化が出会う場所……。 安部公房作品を読んでいると、まずぶつかるのが境界の問題ではないだろうか。戦後、故郷を失い地に…
前期は歴史を扱ってきたが、後期は「ブルース」「ダンス」「即興」「カウンター/ポストバークリー」について扱っている。なお、各キーワードの最後の講義には、それぞれの分野から専門家を招いて話を聞くという形式をとっている。 全体的に歴史編と比べて、…
東京大学で行われたジャズの歴史についての講義録。各年代にジャズ奏者達がどのように即興演奏を繰り広げ、理論を突き詰めていったのか、その栄枯盛衰をわかりやすく説明している。 ジャズといえども、それ単体で歴史を語るのは非常に難しく、当時の世相や流…
久々に濃いメガテンをやった気がした。メガテン好きでまだやってない人は是非やるべきだと思う。引き継ぎはないけれども自分は二周目を始めた。以下小見出しを使って感想を書く。「デビサマ」は本作の呼称として使わせていただく。 世界観・シナリオ いわゆ…
武田泰淳を読むのはこれが初めてだ。きっかけは、実在の人肉食事件を題材にした表題作に惹かれてだ。 表題作を読んだ時、久々の感動に包まれた。このような作品を今まで知らないでいたのかと、自分を恥じてしまうほど。 主人公は羅臼の校長から戦時中、船が…
森見登美彦、といえば阿呆な話を書く人、と思っている人も多いだろう。例外もあるが事実その通りだ。 『有頂天家族』は主人公が人間ではなく狸だ。他にも天狗なども出てくる。人間もいることはいるが、特定の人達を除けばそこにフォーカスはほとんどあたって…