幻想世界の住人たち

健部伸明と怪兵隊『幻想世界の住人たち』読了。各地の伝承や神話などに登場する様々な住人にスポットをあてた本。全体的にヨーロッパ寄り、神単体よりは妖精、小人、精霊等、種族としての紹介が多い。
この本を読んでいいと思ったのは、歴史的な事実等と絡めている点。ただ単に神様を紹介している本というのは星の数ほどあるのだけど、歴史や文化等と絡んでくるとなるとどうだろう。こういう本は、歴史や民俗学への足がかりができて、非常に有意義なものになると思う。
ある民族が先住民を支配していく様子だとかが、神話とかには滲んでくるわけで、自分としては神話のこういったところに非常に興味がある。またメガテンがこれらに対してどういう立場を取っているかというのもわかってきて、メガテニストとしてはこれ以上ない快感が得られる。
割と入門的な本としてはややテキスト量が多いけど、難しい文章ではないし、神話等に興味があれば楽しめると思う。
これはIで、IIまで同じ著者が手がけている。実はIIも既に持っているのだけど、安部公房の禁断症状が出かけているので、まずは一冊読んでから手をつけようと考えている。
どうでもいいけど、サイレンの語源がセイレーンだというのを、恥ずかしながらこの本を読んで初めて知った。

幻想世界の住人たち (Truth In Fantasy)

幻想世界の住人たち (Truth In Fantasy)