こはれて消えた

最近、童謡の『シャボン玉』が実は名曲なんじゃないかと思い始めてきた。曲もさることながら、歌詞の秀逸さに改めて感心している。

シャボン玉飛んだ
屋根まで飛んだ
屋根まで飛んで
こはれて消えた
シャボン玉消えた
飛ばずに消えた
産まれてすぐに
こはれて消えた
風、風、吹くな
シャボン玉飛ばそ

この歌詞は昔から様々な解釈が飛び交っている。しかし作詞の野口雨情が生後7日で娘を亡くしているということを踏まえると、2番はかなり重たく(特に「産まれてすぐに」)、夭折を暗示しているように感じる。7音単位の定まった形式の、この少ない文字数の中に、この深さを与えられるのがすごい。曲的な部分では、「消えた」「飛ばそ」の部分にスタッカートが入るということを最近知った。この部分にも儚さが表れていると感じる。
インスト最高っす! とか思っていた俺が、歌詞が気になり始めたのは割と最近でもある。俺が歌詞で感心したりするのは、童謡であったり、最近の曲でも子供向けにシフトしているものだったりすることが多い。日本語の歌詞は、複雑なリズムにべったりと饒舌に乗せるよりは、単調なリズム、短い言葉に奥行きをもたせるようにしたほうがいいかなと思っている。擬音・擬態語も活用すべきだよね。
しかし総合的に、音楽に映える言語はスペイン語だと思っている。これは俺の嗜好の問題もあるし、スペイン語を詳しく知らないので強くは言えない……。でもいつか学んでみたいし、行ってみたい。
最近の曲で歌詞が良かったと思ったのは、トラボルタPの巡音ルカを使った『トエト』。これもまんまみんなのうたにありそうな曲という……。