幻想世界の住人たちII

健部伸明と怪兵隊『幻想世界の住人たちII』を読了。安部公房を読みますと言っておきながら、気になってしまってそのままIIを読んだのだけど、続き物的な扱いになっていて、カバーしきれなかった地域の補完や、Iと合わせた幻想生物の分布地図まで載っているという徹底ぶり。先にこっちを読んで正解だったかもしれない。
今回は前回よりもメソポタミアやインドなど、個人的に好きな地域の紹介が濃かったので満足している。まあインドに関しては、上村勝彦『インド神話 マハーバーラタの神々』の復習的な要素が強くなってしまったのは否めない。でも他の地域と、デーヴァとアスラの扱いの違いを比較できるというのは面白かった。
終盤は悪魔特集となっていて、知っているものも数多く登場するので、読んでいて飽きることがなかったし、ソロモン王の72柱の魔神も紹介されていて、非常に充実した内容だった。
ただIにある日本のものに関しては、割合情報を得られやすいとの理由で紹介は少なめになっているので、そこだけは注意。
この本のスタンスについては前回のIの記事に書いたから省くけど、さらに本としてまとまりが出たように感じる。読むならば是非IとIIを合わせて読むことをすすめる。参考文献も漏らすことなく書いてあるので、おかげで読みたい本がまた増えた。
今度こそ安部公房を読みたいと思う。年内に読み終わりたい。

幻想世界の住人たち (Truth In Fantasy)

幻想世界の住人たち (Truth In Fantasy)

幻想世界の住人たち〈2〉 (Truth In Fantasy)

幻想世界の住人たち〈2〉 (Truth In Fantasy)

インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)