北海道の歴史がわかる本

桑原真人・川上淳『北海道の歴史がわかる本』を読了した。
ある時考えた。自分は北海道に住んでいてかつ、北海道が好きでいながら、その歴史については驚くほどに無知ではないかと。恐らくそういった理由でこの本を選んだ人も多いのではないか。
北海道の持つ印象の多くは、明治以降の開拓からではないかと思う。ではそれ以前の松前藩の時は、それ以前は、と遡っていけばいくほど、景色は真っ白になっていた。
この本は古代から現代までを52のトピックで構成していて、ほぼ決まったページの各トピックごとに独立してもいるので、知りたい部分から読んでもいい。さらに同時代の世界や内地の動きなども併記されていて、非常にわかりやすい構成となっていてよかった。
強烈に興味をひいたのは、和人とアイヌとの関係、南下してくるロシアと日本の間で揺れるアイヌなど。この領土確定までの動きというのはこの本の中で一番濃い部分かもしれない。自分が持っていたアイヌに対するイメージは大分塗り替えられたように思う。
明治以降の入植からは、ぐっと現在とつながった話が出てくる。特に自分が住んでいる地域などが出ると、屯田兵村のつくりなど、現在との共通項の多さに驚いたりなどした。
しかし、現代以降のトピックは取り扱うものがややばらけていて、全体的にちょっと浮いた感じになっているのが残念だった。
北海道史を概観してみたい人に是非すすめたい。

北海道の歴史がわかる本

北海道の歴史がわかる本

  • 作者: 桑原真人,川上淳,宮川健二,井上哲
  • 出版社/メーカー: 亜璃西社
  • 発売日: 2008/03/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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