Goldieのホイッスル


先日、ついにGoldieのホイッスルを手に入れた。アイリッシュ楽器の国内情報はかなり少ないように思う。そのなかでホイッスルは恵まれたほうではあるが、自分自身ホイッスルを検討する際に、欲しい情報がない場合が多かったので、新しいホイッスルを購入した際には少しでもこれから購入しようと考えている人のためになればと、キーを叩いている。
このホイッスルは以前はOvertonと呼ばれていたもので、諸事情あって現在の製作者であるColin Goldie氏の名前からとっている。この記事を書いている現在で、国内で輸入代行をしている人から買うと大体2万6000円前後と思われる。ホイッスルの中ではかなりの上位機種といってもいい値段と手間がかかっているが、楽器全体で見ると本当にこれでいいのかと思うぐらい安い。一本一本職人の手作りなので、もし在庫がない場合などはかなりの時間を待つことになる可能性があるので、なるべく欲しいと思った時は買うことをすすめる。
吹き心地であるが、普通のホイッスルとかなり違う点がある。ウィンドウェイが非常に狭く作られているためか、息の抵抗力が非常に強い。そのため、息の瞬発力が他のホイッスルにくらべてかなり必要となる。これを吹いたあとにSusatoなどを吹いてみると、ただの筒に息を吹き込んでいるような感じさえおぼえる。そしてそのウィンドウェイの形状から、水滴が溜まりやすいのだが、逆にそれを息で押し出すことのできるような構造となっている。縦笛の弱点である水滴を逆に利用してかすれさせているのかとさえ思う。なかなか面白い発想の着眼点だ。
息の抵抗力が強いので、音の抑揚がつけやすく、ビブラートなどは非常に簡単に、深くかけることができる。それでいて息の反応もよく、タンギングが映える音色となっている。どんな曲調でも活躍させることのできる音だと思った。
ただ当然、この吹き心地の違いは最初戸惑うことになる。自分自身もまだ慣らしている最中で、まだまだコントロールできていないのが現状だ。しかし慣れてしまえば、その表現力の深さの虜になっているかもしれない。ぜひローホイッスルも触ってみたいと思わされた。